サッカー日本代表とW杯

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■サッカー日本代表とW杯

2022年11月W杯がカタールで開催される。今大会は日本がドイツ、スペインと言った強豪国と同じ予選グループに組み込まれ、連日「死の組」と報道されていた。

今回は来るW杯前に、日本代表が史上最もベスト8に近づいたと言われる前回大会、ロシア開催のW杯について振り返りたい。

■大会前

日本代表のW杯前1年間の戦績(W杯最終予選含む)は11勝5分10敗。大きく負け越しているわけではないが華々しいとは言い難い戦果である。
また、サッカーファンの当時の印象としても日本代表に関するイメージはそれほど好ましいものではなかったのではないだろうか。
要因としては監督問題、成績不振、選手層の高齢化などが考えられるのではないだろうか。

・監督問題について

日本代表監督は前々回のブラジル大会から前回ロシア大会まで計3名の監督が務めている。アギーレ監督、ハリルホジッチ監督、西野監督の3名だ。
このうち特に長く代表を率い、また特に騒がれた監督はハリルホジッチ監督ではないか。
リルホジッチ監督はW杯ブラジル大会でアフリカのアルジェリアを率い、徹底した規律でチームをベスト8に導いていた。
そうした実績が買われて日本代表監督に着任したがその約3年の任期は監督自身、選手、サポーターにとっても楽なものではなかったのではないか。
監督の徹底した管理は日本代表の選手たちとマッチせず、選手から監督、監督から選手への批判や低減も相次いだ。当時日本代表のエースとして君臨していた本田圭佑とはそれぞれが別々の場所で指摘し合う舌戦を繰り広げ、最終的には「選手とのコミュニケーションの問題があった」ということを理由に本大会約1ヶ月前に解任となった。

・成績不振

W杯直前の1年間について、戦績は11勝5分10敗でファンとしては不安も感じる戦果だったのではないか。特にW杯の最終予選の初戦の敗戦は「W杯最終予選初戦に負けたときの予選の突破確率は0%」ということで非常に大々的に報道されていた。
最終的には予選突破となったが、予選突破を決めたのは予選の最終試合の一つ前のオーストラリアとの試合であり、過去大会のアジアでは圧倒的な強さを見せる日本の姿はなかった。

・選手層の高齢化

当時の日本代表は「おっさんジャパン」などと呼ばれ選手層の高齢化が課題視されていた。
個人差はあれ一般にサッカー選手のピークは27~28歳前後と言われている。しかし当時の日本代表で香川、長友、本田、長谷部、川島、槇野、乾、岡崎など主力クラスの選手複数名が30歳を超えていた。
当該選手たちのパフォーマンスが悪かったとは言えない者の、成績不振も相まって長く日

■本大会

・コロンビア戦

雰囲気としては決して順調とはいえない状況で迎えた初戦、相手は奇しくも前回大会1-4で完敗を喫したコロンビアだった。
この試合についてはかなり印象的で覚えているファンも多いのではないか。
前半早々相手選手がペナルティエリア内でハンド、PK獲得の上反則を犯した選手は退場処分。1試合分の大半の時間を残して1点リード、数的有利の状況での試合となった。
しかし前半のうちにFKから失点、同点のまま前半を折り返すこととなった。
後半に入るも初戦の緊張感からか日本は数的優位を活かしきれない状況が続いていた。
しかし73分、途中交代の本田圭佑のCKから大迫勇也が頭で合わせて勝ち越し。
日本はこのリードを最後まで守りきり初戦を白星で飾った。

・セネガル戦

グループステージ第二戦はアフリカのセネガル、日本はアフリカ系の国を大の苦手としており、W杯直前の強化試合でもガーナに0-2で破れていた。
試合は激しいシーソーゲームの様相を呈する。
前半11分、日本のGK川島がクリアミスしたボールがセネガルのFWマネにあたりボールはそのままゴールへ。前半の早い段階で先制を許す。
日本も負け時と前半34分ロングボールに反応した長友のボールを乾が受け取りゴ-ル右隅へ技ありゴール。前半のうちに試合を降り出しに戻す。

迎えた後半、71分にそれまで攻守に奮闘していた乾がわずかにマークを話してしまった隙に失点。大の苦手のアフリカ系のチームを相手に残り約20分でビハインドとなる。
しかしその7分後、後半78分にまたも途中出場の大黒柱が大仕事をやってのける。
FW大迫のパスを受けた乾がゴール前に折り返しのパス、ニアサイドで岡崎がお取りとして相手を引き連れ、最後は本田圭佑が冷静に相手DFの脇を抜くゴールで日本代表が土壇場で同点に追いつきドロー。

・ポーランド戦

最終戦は既に予選敗退が決定していたポーランドが相手だった。
日本はこの試合大幅に選手を入れ替え試合に望んだ。この時点で日本はまだ予選突破が確定しておらず、なんとか勝点をもぎ取り自力での決勝トーナメント出場を勝ち取りたいと意気込んで望んだ試合であった。

試合は比較的ゆったりとしたペースで進行していく。ポーランドは既に敗退も決まっており、なんとしても勝ちに行くと言った勢いは見られなかった。DF吉田はのちのこの試合を振り返り「ポーランドはやる気がなかった」と述べている。
日本は後半59分にFKの流れから失点を喫するが、同時刻に行われていたコロンビア-セネガルの試合でコロンビアが1点リード、日本はフェアプレーポイントの差で、このまま同組の予選が終われば眼の前のポーランドに負けても予選突破できる状況となる。
この状況はキャプテンの長谷部を投入する。
「試合には負けているが、このままなら予選突破できる。無理にリスクを負って攻撃しなくてもいい。」というベンチからのメッセージをピッチで戦う選手に届けることが狙いであった。

結果として日本―ポーランド・コロンビアーセネガルの試合はそのまま終了し、本大会前はファンからのバッシングに晒されていた日本代表はグループ2位で決勝トーナメント進出となった。
グループステージは乾、香川、本田、と本大会前おっさんと揶揄された選手たちが特典し、得点以外でも長谷部、川島、岡崎を始め“おっさん“たちが奮闘し史上3回目の予選突破を実現した。

 

 

■決勝トーナメント

・ベルギー戦

迎えた決勝トーナメント、初戦の相手は優勝候補の呼び声も高いベルギーだ。ベルギーは近年急激に力をつけてきた強豪で特にFWのアザール、MFのデ・ブライネは所属チームでも結果を出し絶好調で本大会に望んできた。

日本代表は抜群の集中力で前半を無失点で終える。ゴール前にボールを運ばれるシーンは散見されるも、DFラインのみならず全選手が高い集中力とインテンシティでゴールを割らせない。
すると後半開始早々、日本が48分52分と立て続けに原口、乾のゴールでリードする。
競合相手に一瞬のすきを突くゴール、センセーショナルなゴールでリードを奪う。

しかし日本はここから防戦一方となる。後に選手、監督は「あの2点でベルギーはスイッチが入った」「2点リードする展開は全く想定していなかったので、ピッチではどのようにプレーすべきか迷いが生じていた」と語っている。
ベルギーに押し込まれる展開となった後半69分、ベルギーの選手のふわりとしたヘディングのパスがなんとそのままゴールに吸い込まれた。それまでベルギーの攻撃を必死に防いでいた中でまさかの形で失点を喫する。その後もベルギーの勢いは止まらず74分にはFWアザールのクロスから失点、同点とされる。

そして迎えた後半のラストプレー、このまま行けば延長戦に突入という中で本田圭佑の蹴ったCKをベルギーGKのクルトワがキャッチ。既に走り出していたデ・ブライネにパスを出す。ここから約14秒、W史上最も美しいとも言われるカウンターで日本代表は3失点目、94分の戦いは劇的な幕切れで終了となった。

本大会では事前の予想をいい意味で裏切り多くのファン・サポーターに喜びを与えた。
またこの大会を期に高齢化が進んでいた選手層の新陳代謝も進み、カタール大会では選手層を一新して戦う事となる。

2022年11月開幕のW杯カタール大会、日本はドイツ、スペインと言った強豪と戦うが、今大会はどのような戦いを見せてくれるのか非常に楽しみである。

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