フジ住宅に判決!ヘイトハラスメント?裁判の訴訟騒動まとめ

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大阪府岸和田に本社を構えるフジ住宅は、「お客様の期待に応え、信頼を築く。」を経営理念としています。
そのフジ住宅ですが、ニュースでも取り上げられているように、勤務していた女性から裁判を起こされました。

二審での判決ではフジ住宅側敗訴の判決が確定していますが、フジ住宅側は最高裁に上告して改めて是非を問う方針であるとしています。
しかし、一審の判決から時間が経過していること、報道によっては若干の意見の違いなどがあり、中には混乱している人もいるでしょう。

そこで、この記事ではフジ住宅の会社概要を含めつつ、裁判の内容や判決の要点などを紹介していきます。
本当にヘイトハラスメントが継続的にあったのかにも触れていくので、裁判の行方が気になる人は参考にしてください。

 

フジ住宅の会社概要

最初にフジ住宅の会社概要を紹介します。

【会社概要】
商号:フジ住宅株式会社
創業:昭和48年1月22日
設立:昭和49年4月19日
代表:代表取締役社長 宮脇宣綱
資本金:48億7,206万円
本社住所:〒596-8588 大阪府岸和田市土生町1丁目4番23号

フジ住宅は、大阪府岸和田市に本社を構えている会社です。
主に近畿エリアで住宅・不動産関連の事業を行っています。
今井光郎氏によって創業が始まり、常に顧客満足を心掛けていった結果、東京証券取引所・大阪証券取引所において市場第一部に昇格しました。

フジ住宅裁判 訴訟ポイントと全体像について

近畿エリアでは誰もが知っているフジ住宅ですが、勤務している女性社員が会社を相手として裁判を起こしました。
なぜ女性は会社を訴えたのか、その背景をきっかけから順番に説明していきます。

問題意識を持ったきっかけとは

原告側となる女性社員は、大阪府に住んでいる在日コリアンの方です。
2002年に非正規社員として不動産関連会社に就職しました。

就職後、在日コリアン人だと分かるような名前であっても周囲から差別を受けたこともなく、社内の雰囲気はとても良好だったといいます。
その後、2008年に就職した不動産関連会社がフジ住宅に吸収合併されてから様子が変わってしまったと主張しています。

その具体的な内容としては、2008年頃に社内で配布された資料に違和感を感じるようになりました。
2013年の5月に日本教育員組合に関する資料が回覧されたことをきっかけに強く問題意識を抱くようになったようです。

2015年に提訴

原告側の女性社員は、文書の配布をやめることを申し入れました。しかし、資料配布は止まらなかったようです。
2015年3月に女性社員は大阪弁護士会へ人権救済を求めました。

その結果、会社側から300万円の支払いと引き換えに退職を提案されましたが、納得できる提示ではなかったため、8月に会社と会長を相手に提訴することに決めました。

2020年に大阪地裁の判決

2020年7月に一審の大阪地裁堺支部判決において、フジ住宅と今井会長に対して連帯で110万円の賠償をするように命じました。
これに対してフジ住宅側は、「文書配布の差し止めを認めたことは、過度の言論の萎縮を招くこと、判決は到底承服できず上告の申し立てを行う」とコメントしています。

一審判決~控訴審の二審判決が下るまで

一審判決が出た後、「社内では複数回に渡って人種差別的な資料が配布されていた」と原告側の主張がありました。
これに対して、フジ住宅側は、自虐史観から従業員を解放するための教育、啓発、研さんであると主張しています。

そのため原告側は、2020年11月に大阪高裁へ人種差別的資料、原告への個人攻撃資料の配布を差し止める請求を追加しました。
2021年11月に大阪高裁はフジ住宅と今井会長に対して、132万円の損害賠償金の支払いと同時に資料配布の差し止めを命じる判決を言い渡しました。同時に配布を禁じる仮処分命令も出されたのです。

この判決で、フジ住宅と今井会長に対して違法性が認められたのは以下の3点です。

  • 人種差別資料やヘイトスピーチなどに類する資料を大量、継続的に社内で配布する行為
  • 社内で提訴した原告に対して非難した(そのような意図がなくてもそのように解釈できる)資料を配布する行為
  • 特定の教科書が採択されるようなアンケートの提出や運動を行った動員行為

フジ住宅と今井会長の社員への配慮が不十分だったことが指摘されています。

高裁判決から見えてきたフジ住宅裁判の論点

高裁の判決内容からフジ住宅や今井会長側に違法性があったと認められた部分がある一方で、違法性がない判断された部分や配慮が足りなかった部分など論点となる面も見えてきました。
ここでは、高裁判決から見えてきた部分について説明します。

判決の問題点

判決では人種差別資料の配布行為が認められ、配布の差し止めが命じられました。
差し止められた理由は、配布資料の中にYouTubeの動画紹介画像及び、第三者によって差別的な文章が書き込まれていたからですが、この文章は第三者によるものであり、会社側による意思ではありません。

さらに資料の中には産経新聞の記事が含まれていて、識者による評論が多数並んでいるものでした。

このような内容から、高裁では原告側の女性を念頭にして書かれたものではないこと、差別的言動と認めることがないと判断しています。
しかし、従業員に対して特定の国への嫌悪感を抱く可能性があること、原告側の女性社員が職場で差別を受けるかもしれないと危惧して当然であるという考えにより、一部の資料が差し止めとなりました。

高裁判決の要点

フジ住宅や今井会長の配慮によってこのような事態になることを防げた可能性がありましたが、今回の判決の要点は以下です。

1. 不当な表現やコメントが記載された文章をそのまま配布したこと
今回、特定の人種または民族を非難するような表現が資料に含まれていたことが問題となった要因です。

会社側が不当な表現や、コメントを含めないように隠したり注釈したりなどの対応などが必要だと考えられます。
この配慮をしっかり行えば、違法性を認められなかった可能性があります。

2. 配布する資料そのものは自由
判決でも資料の配布そのものは問題視していません。
今回配布された資料について、読むのは任意であり強制的に読ませたものではありませんでした。

3. メディア報道が一部不適切であった
一審後から一部メディアでフジ住宅が差別したかのような印象を与える内容が報道されました。
この内容については不適切だと判断されています。

4. 賠償額の増額
最終的に賠償額が増額してしまったのは、フジ住宅によるものではなく、従業員に書かせた感想文の中に原告を批判する内容が含まれていたからです。
批判内容をそのまま掲載して配布することなく、チェックするなどの配慮があれば賠償額が増える可能性もなかったかもしれません。

まとめ

今回の裁判ではフジ住宅側の敗訴となりましたが、フジ住宅側は最高裁まで上告する考えを持っています。
そこで、重要になってくるのは以下の点についてです。

  • 差別的な表現が含まれた資料を積極的に用いたわけではない
  • 配布そのものに違法性はなく、問題のある一部分の文書が差し止めとなっていること
  • メディア報道においてフジ住宅に対しての印象操作がある

フジ住宅側は、判決に対して不服を主張していますが、最高裁ではどのような判断となるのかまだわかりません。
今後も判決の行方をみていく必要があるでしょう。

また、今回の裁判と別に、法廷内でのブルーリボンバッジの着用をめぐる「ブルーリボン訴訟」の行方にも注目があつまっています。

ブルーリボン訴訟については、以下のページを読んでみてください。

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